「竹下村誌稿」の解読版の経緯

竹下村誌稿 解読版
 A4判で423頁、厚さ2.8cm
スマホと比較 

2025.7.19

数年前、「竹下村誌稿(復刻版)」(昭和五十五年金谷町発行刊行)が手に入ったので、自分が住んでいる竹下区の昔が知りたくて、読んでみようとしたが、文章には自分の知らないような漢字の熟語が、綺羅星のごとくにちりばめられて、そのまますらすらとは、とても読めない。そこで、古文書の解読を勉強してきた自分が解読して、何とか今の若い人でも読めるようにしたいと思った。

アルファベットに比べて、象形文字の漢字は何とも美しい。その一文字一文字が意味を持っているからだ。この漢字を平易な現代語に変えるのは、至難の作業の上に、それぞれの漢字が持つ美しさを失うことになる。

そこで、漢字にはあまり触らないで、旧漢字を新漢字に変えるだけにとどめ、その分、漢字熟語の読みと意味を、うるさいくらいに注として付けて、苦労せずに読めて、意味を知ることが出来るようにしようと思った。さらに、変体仮名や旧仮名遣いは、すべて現代仮名遣いに改め、ほとんど打たれていない句読点等を多めに付けた。

読み進むうちには、文献や古文書などからの引用が、ほぼそのままに記されているところも多く見られた。これは自分の専門だから、読み下した上に、新漢字、新仮名遣いに変えて、若い人でも読めるように心がけた。漢文については、返り点を補い、読み下し文をつけた。その上で、漢字の熟語の意味はくどいほどに注で明らかにした。

そんな作業を、自分のブログ「かさぶた日録」に、少しずつ密かに載せながら勧めた。そんな中で、毎日「かさぶた日録」を閲覧されて、ブログと「竹下村誌稿(復刻版)」と照合しながら、誤字、脱字、行抜け、重複などのチェックをして、コメントで指摘をしてくれた方が、一人だけいた。同じ竹下区の斎藤辰美氏である。

そのコメントが、解読を終えるまでの一年三ヶ月、自分の孤独な作業に、どれだけ励みになったか知れない。剰え、部分的に自分が解読を跳ばした所を補い、最後に「竹下村誌稿(解読版)」の原型を製本して、図書館に入れたり、私にも一冊頂いたりした。望外のことで、大変有難く思った。斎藤さんの口には出さない励ましがあってこそ、この大著の解読版がなったと思う。

私事であるが、会社勤めの40年余、企業の会計が仕事で、人の金の勘定や銀行との取引、税務署とのやり取りなどを、主たる業務としてやってきた。15年前、会社を退職したとき、もうこれらの業務は卒業して、今後一切関わることはしないと決めていた。「竹下村誌稿」の解読を始めて間もなく、「租税」「貨幣」の項に入った。そんな訳で、その部分は解読を割愛していた。製本に当たって、その部分を斎藤氏が補ってくれていたのである。今回の「竹下村誌稿(解読版)」も「租税」「貨幣」の項は、斎藤氏の解読をそのまま利用させていただいている。

そんな裏話を最初にして、しばらく「竹下村誌稿(解読版)」を中身の一部を紹介し、宣伝に代えたいと思う。「竹下村誌稿(解読版)」は200冊発行して、今100冊ほど売れたところである。

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