「蕉園渉筆」(漢文)を読む(60)八幡古鐘・天狗
菊川市中内田、平尾八幡宮 2026.9.15 「 蕉園渉筆」は(上)(中)(下)の 上中 の解読終わり、今日より下に入った。あと三分の一である。ここへ載せているのは、まだ中の前半。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 八幡古鐘・天狗 平尾八幡社前有古鐘、放置地、一日有響冲於空中、 後聞之、墜於相之最上寺道了権現祠前、 数年秋時八幡神会有射礼、 廟令在席即忽募冊墜自空中、 最上寺鐘楼募冊也、蓋皆天狗之所為也 (解読) 八幡古鐘・天狗 平尾八幡社 前、古 鐘 (こしょう) 有り。放置の地、一日空中に 冲 (わ) く響き有り。 後これを聞く。 相 (相模) の 最上寺 (さいじょうじ) 、道了権現祠 (ほこら) 前に墜 (お) つ。 数年秋時、八幡神会 射礼 (じゃらい) 有り。廟令 (神主) 在席、即 (すなわ) ち 忽 (たちま) ち、 募冊 (ぼさつ) 空中より墜 (お) つ。 最上寺鐘楼の 募冊 (ぼさつ) なり。 蓋 (けだ) し、皆天狗の 所為 (しょい) なり。 (語注) ※ 鐘(しょう)➔ 原文は「鏡」に見えるが、著者の書き癖で、意味からも「鐘」と読む。 ※ 平尾八幡社(ひらおはちまんしゃ)➔ 現、菊川市中内田、平尾八幡宮。 ※ 相模最上寺(さがみさいじょうじ)➔ 現、南足柄市大雄町、曹洞宗大雄山最乗寺。修験道の行者相模房道了尊者(妙覚道了)が建立に尽力を尽くし大寺を成したという。 ※ 射礼(じゃらい)➔ 近世以降の弓道で、烏帽子、直垂(ひたたれ)の装束で威儀を正し行う儀礼としての歩射(ぶしゃ)。 ※ 募冊(ぼさつ)➔ 募集によって編成された名簿。 ※ 所為(しょい)➔ なすところ。しわざ。 (続く)