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I氏開発の梨の新品種「富慈緑」

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高校の同級生、I氏開発の梨の新品種「富慈緑」 2026.9.29 明石在住の、高校の同級生I氏から手紙が来た。電話に出ないからと、手紙をくれたのだが、申し訳ない、スマホには自分で登録した以外の電話には出ないことにしている。もともと自分のスマホは、自分が掛ける時、専用と決めている。だから、普通、電話は家電話で受けている。随分身勝手な使い方と思うが、この年になって、新しいことが煩わしくなっているからである。それはさておき、スマホに出ないので、手紙が来た。 I氏は高校教諭から農業高校の校長まで勤め上げた方で、専門は「農業・園芸」、高校退職後、梨の新品種の開発に手掛けられ、 新品種「富慈緑」 を開発された。 梨には「青梨」と「赤梨」があり、故郷では梨といえば、「青梨」の「二十世紀」のことであったが、当地へ来て店頭を見ると、すべて「赤梨」であった。 「赤梨」の方が 「青梨」よりも糖度が高いから、 「二十世紀」は世紀の終わりとともに、見られなくなった。 しかし、青梨の青みがかった透き通るような黄色い肌、僅かな酸味とみずみずしさは、 懐かしい故郷の味である。その 「青梨」の 新品種「富慈緑」 は実に美しい黄緑色で、甘みと酸味が絶妙のバランスだという。 実は、そういう自分もまだ食べたことがない。「確か出来たら送るよ」と言ってくれたような気がするが。食べてみたいものである。

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(72)平田寺文書

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庭のホソバヒイラギナンテンの実 もう何十年も庭に在りながら その実をじっくり見るのは初めてである   2026.9.28 雨続きである。止みそうでなかなかさっぱりした晴れは続かない。専ら室内で古文書解読か、アジア大会の観戦の毎日である。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 平田寺文書 余嚮観平田寺所蔵、孝謙帝天平感宝詔書、寄諸友書中及此事云、 詔尾橘豊成名、書尤佳、蓋名所自筆也、白藤報曰、 豊成横萩右太臣而中将姫之父。此時未聞有橘姓也、 蓋別人矣、 是藤原豊成誤筆橘豊成也、他諸友無報、 独白藤詰之、可謂益友矣 (解読) 平田寺文書 余 嚮 (さき) 、平田 (へいでん) 寺所蔵、孝謙帝、天平感宝 詔書 (しょうしょ) を観る。 諸友への書中に寄せて、 この事云うに及ぶ。 詔尾 (しょうび) 、橘豊成の名、 書もっとも佳 (よ) し。蓋 (けだ) し、名自筆 (じひつ) の所なり。 白藤、報 (しら) せて曰く、豊成、 横萩右太 (大) 臣 にして中将姫の父。 この時、未だ橘 (たちばな) 姓に有ったとは聞かざるなり。蓋し別人なり。 これ藤原豊成、橘豊成と誤筆なり。他の諸友、報せなし。 独り白藤これを詰 (つ) める。可謂 (いわゆる) 益友 (えきゆう) なり。 (語注) ※ 嚮(さき)➔ 以前。 ※ 詔書(しょうしょ)➔ 律令制で、天皇の詔(みことのり)を記した文書。 ※ 詔尾(しょうび)➔ みことのりの終り。 ※ 横萩(よこはぎ)右大臣 ➔ 豊成は、別名「横佩(萩)大臣(よこはぎのおとど)」と呼ばれた。 ※ 益友(えきゆう)➔ 交わってためになる友人。 (続く)

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(71)本間春城

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裏の畑のニラの花 2026.9.27 昨日午後、なんとか 金谷郷土史研の講義、2時間を終えた。「課題」が自分には 少し 「過大」であったか。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。今日の課題は難しい。 *********************************************************************** (原文) 本間春城 按部之日憩於下平川医人本間春城家、壁上粘精里翁七絶、 書甚佳、其詩原上鳴騶、 散晩闇、行窩市近酒堪賖、 山雲也会打垂法、不見芙蓉見断霞、打垂法不通、 主人質於予、 余亦不詳、問之東都諸友、白藤報書云、郡康節有打垂吟、 程子和之、 打俗語無意、思垂法蓋垂戻世人之謂也 、 是精里倍林祭酒於野邨君玉宅、時所作、 其日白藤亦倍坐、 当時質問也、君玉家於牛門内復原、原上字亦於是明了 (解読) 本間春城 按部 (あんぶ) の日、下平川の医人 (医者) 本間春城家に憩 (いこ) う。 壁上に 精里翁 (せいりおう) の 七絶 (しちぜつ) を粘 (は) る。 書、甚だ佳 (よ) し。その詩 (漢詩) 、    原上鳴騶散晩闇    原 上に 鳴 騶 (いななき) 、 晩闇 (ばんあん) に散る。    行窩市近酒堪賖     行窩 (仮寓) 、市 (いち) に近く、酒、 賖 (おぎの) りて             堪 (たのし) む。    山雲也会 打垂法     山雲 (さんうん) また会いて、 垂法 (すいほう) を打つ。    不見芙蓉見断霞    見えざる芙蓉 (富士) 、霞を断ちて見る。 「打 垂法 」通じず、主人、予に質 (ただ) す。余また詳 (つまびらか) ならず。 これを東都諸友に問う。白藤 報書 (ほうしょ) に云う。 郡康節 、「 打垂吟 」有り。 程子 (ていし) これに和し、俗語を 無意 (むい) に打つ。垂法 (手本) を思い、蓋 (がい) して 垂 (手本) に戻る、世人の謂 (いわ) れなり。 これ 精里 、 野邨 (野村) 君玉 宅において、 林祭に倍 (陪) し、酒の所作 (しょさ) の時、 その日、白藤また 倍 (陪) 坐 し、 当時質問なり。君玉家、 牛門 (ぎゅうもん) 内 復原において、「原 (復原) 上」の字、またこれ 明了 (めいりょう) 。 (語注) ※ 按部(あんぶ)➔...

「マイ巨木」 牛尾、熊野神社の大クス

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「マイ巨木」 牛尾、熊野神社の大クス 2026.9.26   一昨日、久しぶりに牛尾山の「熊野神社の大クス」に会ってきた。この大クスは 「マイ巨木」 である。 40年近く前、昭和の終り頃、環境庁により、全国巨樹巨木調査が行われ、巨樹巨木が静かなブームとなった。当時、巨木に興味を持ち、あちこちの巨木を見て回った。そして、静岡県でも樹種さまざまな巨木153本を選んで、「静岡県の巨木」として紹介された。その資料を元に 「静岡県の巨木」152本を巡った。一本足らないのは、三島の女子高校にあった桜の巨樹が、女子高校の構内では、と気が引けて、見逃してしまったからである。 往時、その記録を「巨木巡礼」と銘打って、ホームページで紹介していた。今ではもう見られないと思っていたが、今 「巨木巡礼」 と検索すると、そのホームページがそのまま見ることが出来た。これは驚きである。(試してみて下さい) その巨樹巨木ブームの中で、自分の住まう地域で、巨木を一本撰んで 「マイ巨木」 を決めようというキャンペーンがあった。その巨木の所有が誰であろうと、誰に迷惑かけるわけでもない。自分の心の内で決めて、時々は逢いに行く。それだけのことであるが、自分はその巨木に、 牛尾、熊野神社の大クス を選んだ。あれから40年近く、いまも 熊野神社の大クスは健在で、往時の勢いを保っている。 往時は無指定の巨木だったが、今は島田市の天然記念物に指定されている。往時は先細りのような巨木だったが、大枝を落としながらも、幹全体の太さを、随 分増しているように見えた。

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(70)頼朝真蹟/筆草

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  筆草 弘法麦 2026.9.25 明日はいよいよ金谷郷土史研の講義を実施する。上手い講義にはならないかもしれないが、何とか楽しめる講義にはしたいと思う。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 頼朝真蹟 橋本駅所謂浜名左右、昔源右府与梶原景時唱酬之処、 地有蔵右府真蹟者、 伝云以筆草所書也、此間有五味某者、 近時摸刻貺好事者、 附以筆草一紙豈不一韻事耶 (解読) 頼朝真蹟 橋本駅、所謂 (いわゆる) 浜名 左右 (そう) 、昔 源右府 (げんうふ) と梶原景時、 唱酬 (しょうしゅう) の処、 地 (そのち) に右府 (うふ) の 真蹟 (しんせき) を 蔵 (ぞう) す者有り。 伝に云う、 筆草 (ふでくさ) を以って書する所なり。 この間に五味某 (なにがし) 有 (な) る者、近時 摸刻 (もこく) 、好事者に貺 (たま) う。 附 (つけた) り、筆草 (ふでくさ) を以って一紙、 豈 (あに) 一韻 (いちいん) ならざる事 か 。 (語注) ※ 左右(そう)➔ そば。かたわら。 ※ 源右府(げんうふ)➔ 源頼朝。 ※ 唱酬(しょうしゅう)➔ 互いに詩歌・文章を作って、やりとりすること。 ※ 真蹟(しんせき)➔ 真筆。 ※ 筆草(ふでくさ)➔ カヤツリグサ科の多年草。コウボウムギの別称。(次項参照) ※ 摸刻(もこく)➔ 元になるものとそっくりに彫刻すること。 ※ 豈~か(あに)➔ あとに推量を表す語を伴って、反語表現を作る。 どうして~か。 ※ 一韻(いちいん)➔ 一つのおもむき。 (原文) 筆草 筆草和名其名不一、一曰弘法麦、一曰鬼尭韭、一曰海米、漢名蒒草、一名天然穀、 一名指侫草、一名禹余糧、於波津海浜見之、砂磧中多産焉、葉似菖蒲而小、 実酷如麦、 茎下有細毛、至秋末而枯、采而引之、茎自毛際中断、毛即為筆頭、 根為管、 天然筆清雅可愛也、但可草書、不勝真行之用也 (解読) 筆草 筆草 (ふでくさ) 、和名その名不一つならず。一に曰く弘法麦 (こうぼうむぎ) 。 一に曰く浜麦 (はまむぎ) 。一に曰く鬼堯韮 ( きぎょう にら) 。一に曰く海米 (うみごめ) 。 漢名、蒒草 (...

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(69)牧之原

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牧之原大茶園 明治になって、牧之原は大茶園に開発され た 2026.9.24 牛尾の大井川堤脇に、グランドゴルフ場があって、その敷地の角に、近くにあった地蔵石像などが集められている。その中に、白衣観音像が一体ある。白衣観音はすべての観音様の母のような存在で、いわばキリスト教のマリア様のような存在だと聞いた。牛尾のお寺に白衣観音を祀ったお寺があると聞いていた。その案内の像らしいのだが、それがどのお寺だったか。確認のため、今朝、車で行ってみた。しかし、分からずに帰ってきた。金谷郷土史研の講義の中で、それに触れようと思ったのだが、今回は断念する。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 牧之原 牧原一名布引、周囲十数里、赤土或磽确、不宜樹藝、 為無用之地、 近時民往々闢圃作蘿葡、稍佳、旱地穿井漑之、 二三年来又作占城米不応、 其糯者能応、圃稍々増益、可謂見事矣 (解読) 牧之原 牧原 (牧之原) 、 一名布引 (ぬのびき) 、周囲十数里、赤土或いは 磽确 (こうかく) 、 樹藝 (じゅげい) に宜 (よろ) しからず。 無用の地として、近時、民 (たみ) 往々 (おうおう) 闢圃 (へきほ) し、 蘿葡 (すずしろ) を作る。稍 (やや) 佳 (よ) し。 旱地 (ひでりち) に井を 穿 (うが) ち、これを漑 (そそ) ぐ。二、三年来、また 占城 (チャンパ) 米 (まい) を作るが 応じず。 その糯 (もち) は能 (よ) く応 (こた) える。圃 (はたけ) 稍々 (やや) 増益、 見事 (みごと) と謂 (い) うべし。 (語注) ※ 磽确(こうかく)➔ 小石などが多く、地味がやせた土地。 ※ 樹藝(れい)➔ 作物や草木を植えつけること。種芸。 ※ 闢圃(へきほ)➔ 園圃をひらく。開墾する。 ※ 蘿葡(すずしろ)➔ だいこん。 ※ 占城米(チャンパまい)➔ インドシナ半島の占城(チャンパ)原産の稲。干害、塩害に強く、やせた田で育つ、早稲米。 ※ 糯(もち)➔ 糯米(もちごめ)。これは占城米の糯品種を言うのだろう。 (続く)

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(68)県令/卜風雨

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  「東海道五十三次・十一年間の古道を考査する」 金谷コミュニティ委員会広報部編 2026.9.23 土曜日の金谷郷土史研の講義の中で、「東海道五十三次・十一年間の古道を考査する」という金谷コミュニティ委員会広報部で公開している資料を使わせていただくべく、竹下のSさんを訪ねる。了解をいただいた後、今度の講義の進め方などを話し、幾つか不明の点を確認した。何とか、恰好が付きそうである。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 県令 自遠州移封之年、県令至余合八人、独山下為之助、 以厳莅下、以直処己、 民畏而懐徳、坐見移官、 去後十年、民至今称之、余以問于太公、 客歳為司農卿、兼郡将 (解読) 県令 遠州移封の年より、 県令 (けんれい) 、余に至り、合わせ八人。独り山下為之助、 厳しく下へ莅 (のぞ) むを以って、 直処 己 (まさしくおのれ自身) に、 民 (たみ) 畏 (おそれ) て 徳を懐 (おも) う。 坐して官を移すを見る 。 去後 (きょご) 十年、民、今に至りこれを 称 (たた) える。 余、太公に問うを以って、 客歳 (かくさい) 、 司農卿 (しのうけい) 、 兼 (けん) 、 郡将 (ぐんしょう) に為 (な) す。 (語注) ※ 県令(けんれい)➔ 郡司の唐名。「郡司」は、郡を単位として地域的支配を行う郡代官。 ※ 直処(ただか)➔ その人自身。まさしく、その人自身 ※ 坐して官を移すを見る ➔ 人事・官職の異動が目の前で行われるのを見届けること。 ※ 去後(きょご)➔ それより以後。 ※ 客歳(かくさい)➔ 去年。昨年。 ※ 司農卿(しのうけい)➔ 宮内卿(くないきよう)の唐名。 ※ 郡将(ぐんしょう)➔ 郡の長。郡の領主。 (原文) 卜風雨 海国之民預能風雨晦明、遠頻于於海所言尤有験者、 駿之芙蓉在近、山峰雲気相証故也 (解読) 卜風雨 海国の民、能 (よ) き 風雨晦明 (ふううかいめい) に預かる。遠 (遠州) は頻 (しき) りに 海所 (海辺) にて言われる。尤も 験者 (けんざ) 有り。 駿 (駿州) は芙蓉 (富士山) 近くに 在り。山峰 (さんぽう) の 雲気 ...