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大代の河村氏を訪問する

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頂いた河村氏の著書と論文掲載雑誌   2026.8.23 昨日の 金谷郷土史研「竹下村誌稿」講座の第三回目に出席された大代の旧家、河村氏から頼まれた、某家の家歴を記した書のコピーを取って、忘れないうちにと、河村氏の御宅へ届けた。 河村宅の応接に招じられて、色々な話をした。今までも河村旧家を見学したり、接触する機会はあったのだが、チャンスを作り得なかったけれども、この田舎では珍しい知識人だと思っていた。 もともと化学系の大学を出て、会社勤めの後、 帰郷して 旧家を継がれ、その後は、塾の講師や、高校の講師などを勤めらる 傍ら、御林守を勤められたご先祖とその旧宅を守りながら、その功績を後世に伝える仕事をされていた。更に明治になってからのご先祖は、当地の茶業の振興に力を入れられた、そんな歴史を解明するべく活動されていると聞いた。 自分も、会社を終えてから、この20年の活動を、色々と話した。会社を終える時、これからは会社の仕事とは全く違う世界で生きて行くとの覚悟で、その後会社へ行ったり連絡したりことは全くない。会社を終えてからは、初め歩く事を趣味として、その終わりには四国歩き遍路に二度も行ったなどと話し、今はもっぱら古文書解読に時間を費やしていると、実際の講座の実施と解読作業の話などで話が弾んだ。 河村氏は若いときに小説家になろうと、書き記したものがあって、現在それを完成すべく、進めているとも聞いた。自分も今から60年前にいくつか小説を書いたことがあり、一号で終わったが、ガリ版刷りの同人誌も作ったことがあるなどとも話した。 終わりに河村氏から言われたことは、ここに住んで、今日のようなお話をしたことは初めてで、大変楽しかったと聞いた。こちらも同感で、出来ればこれからもこんな機会が作れればと思った。 河村氏は自分よりも5歳若い。こんな年になっても、新しく友人付き会いが始められれば、望外の喜びである。 桑原黙斎の「大井川源記」の解読版があるので、それを進呈すると約束したので、また日を改めて、届けようかと思っている。

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(39)蝒虫/慈菰

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  慈姑(くわい) 「形 ■ 子の如き」( ■ には という字が書かれている) 果たして何という字なのだろう。何と読むのだろう。 この形は「杓子」か「おたまじゃくし」か?  2026.8.22 午後、金谷郷土史研の「竹下村誌稿」講座の第三回目で、自分に番が回って来て、2時間の講座を実施した。課題は「用水、大井川、大代川」。古文書解読の講座と違い、歴史の講座は何をしゃべってよいのやら、ほとんど即興で、主に、「天正の瀬替え」についての持論をしゃべっていた。これで良かったのかどうか。自分に歴史の話は荷が重い。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 蝒虫 遠州患蝒虫、波津相良最多矣、觸書画器物、 食物亦貧家人憎之日撲殺不尽、 大比都下種可 二三倍、称曰大坂虫、近時大坂賈船漂白于灘中、 此蕃殖竟及闔州云、(追筆)相良民救之船中、大群付行李至宿舎 (解読) 蝒虫 (むかで) 遠州 蝒虫 (えむし) に患 (くる) しむ。波津、相良最も多し。書画、器物、食物に触れ、 また貧家人これを憎 (にく) み、日に 撲殺 (ぼくさつ) 、尽きぬ。都下に比べ大きな種、 二三倍あるべし、称して「大坂虫」と曰う。近時、大坂 賈船 (こせん) 、 灘中に漂泊、この 蕃殖 (はんしょく) 竟 (つい) に及 闔州 (こうしゅう) に及ぶと云う。 (追筆)相良民、救 (すく) いの船中、大群 行李 (こうり) に付け、宿舎に至る。 (語注) ※ 蝒虫(えむし)➔ ムカデ。(「撲殺」とあるため。相良町史の「蛔虫(かいちゅう)」ではない。) ※ 撲殺(ぼくさつ)➔ 殴り殺すこと。 ※ 賈船(こせん)➔ 商売のために用いる船。商船。 ※ 蕃殖(はんしょく)➔ 繁殖。動物や植物が生まれてふえること。 ※ 闔州(こうしゅう)➔ くに(遠州)じゅう。 ※ 行李(こうり)➔ 竹や柳で編んだ箱形の物入れ。旅行の際に荷物を運搬するのに用いた。 (原文) 慈菰 慈菰遠州所産長而小、形如  子、味不佳、 大与都下鬻者矣 (解読) 慈菰 (慈姑/くわい) 慈菰 (くわい) 、遠州所産、長くて小さい。形 □ 子 (読めず) の如きで、 味佳 (よ) からず。 ...

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(38)鼓子花/桜

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ヒルガオ(鼓子花 ) 2026.8.21 午後、静岡の駿河古文書会に出席した。来週火曜日、今日の課題を基礎講座で担当するために、今日は細かい点まで解明して置かなければならないと思い、色々意見やら質問を一人で出していたような気がする。それでいくつも細かいことまで確認出来て良かった。講座後、今日の担当のHさんから、色々意見をいただいてよかったと御礼を云われた。意見がないと、講座内容が相手に伝わっているのかどうか、不安になってしまう。まあ、少々煩がられても、意見や質問はいっぱい出していこうと改めて思った。 さて、今日も「 蕉園渉筆」解読の続きを載せよう。 *********************************************************************** (原文) 鼓子花 都下所在鼓子花、花葉共似牽牛、遠州海上磧砂中多生、 花似牽牛而葉類蜀葵、間之即鼓子花也 (解読) 鼓子花 (ひるがお) 都下 、鼓子花 (ひるがお) 所在する所、花葉とも牽牛 (あさがお) に似る。 遠州海上 磧砂 (せきさ) 中、多く生ず。 花は牽牛 (あさがお) に似て、 葉は 蜀葵 (からあおい) に類し、この間、即 (すなわ) ち鼓子花 (ひるがお) なり。 (語注) ※ 都下(とか )➔ 江戸表 ※ 磧砂(せきさ)➔ 「砂磧」に同じ。砂の河原。砂原。 ※ 蜀葵(からあおい)➔ タチアオイの古名。 (原文) 桜 〇遠州梅多而桜不多見也。官舎有一樹所謂楊貴妃者、 花過艶、余不好也、 因求単弁称山桜者、不得、 巡部日山中或見之、葉多花鮮小、不足賞焉 於園村山上見稍佳者、乃購取移庭上、 然譲都下山桜者万々 (解読) 桜 〇遠州梅多くして、桜多く見ざるなり。官舎に一樹あり。 所謂 (いわゆる) 、 楊貴妃 (ようきひ) は、花艶 (あでや) か過ぎ、余、好まざるなり。 因 (よ) って、山桜と称する単弁ものを求め、得ず。 巡部 (じゅんぶ) の日 、 山中ある時これを見る。葉多く花 鮮小 (せんしょう) 、 賞 (めで) るに足らざるな り。 園村の山上において見、稍 (やや) 佳 (よ) きもの、 乃 (すなわ) ち購 (あがな) い取り、 庭上に移す。然し、都下山桜に 譲 (ゆず) る もの、 万々 (まんまん) 。 (語注) ※ 楊貴妃(ようきひ)➔ ...

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(37)天狗/同(天狗二題)

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これは見栄えよく咲いた庭のタカサゴユリ 2026.8.20 昔の人は天狗に何をみていたのだろうか。 「 蕉園渉筆」には天狗の話がよく出てくる。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文)  天狗 〇堂山邑、文蔵、一日過落居村漁家、入夜而帰、 恵大鯔魚乃携沿海而去、 適見赤火自空中来、 所謂天狗火也、怯而蔵岸上船底、伏念仏名、 振々動船甚急、以為欲魚乃抛与之、須臾如去、 出而窺之、魚在岸上唯抉取両眼耳 (解読) 天狗 〇堂山邑 (むら) 文蔵、一日落居 (おちい) 村の漁家 (ぎょか) で過ごし、夜に入りて帰る。 大鯔魚 (ぼら) に恵まれ、乃 (すなわ) ち海に沿って、携 (たずさ) えて去る。 適 (たまたま) 赤い火、空中より来たるを見る。所謂 (いわゆる) 天狗火なり。 怯 (おび) えて岸上 (がんじょう) 船底に蔵 (かく) れ、伏せ仏名を念ず。 振々 (ぶるぶる) 船動き、甚急 (じんきゅう) 。 以為 (おもえらく) 魚を欲す、 乃 (すなわ) ち、これを抛 (なげう) ち与 (あた) う。須臾 (しゅゆ) に去る如し。 出でてこれを窺 (うかが) う。魚は岸上に在り。唯 (ただ) 両眼を抉 (えぐ) り取るのみ。 (語注) ※ 漁家(ぎょか)➔ 漁業をして生計をたてている家。 ※ 天狗火(てんぐび)➔ 日本各地に伝承のある怪現象。怪火の一種で、主に水辺に現れるとされる。 ※ 岸上(がんじょう)➔ 岸辺。岸のほとり。 ※ 甚急(じんきゅう)➔ さし迫る。 ※ 以為(おもえらく)➔ 思っていることには。考えるには。 ※ 須臾(しゅゆ)➔ 短い時間。しばらくの間。ほんの少しの間。 (原文) 同(天狗 二題 ) 〇相良平田坂井等海上、天狗時々捕魚、燃赤火翌往見之、 魚数頭在岸上砂磧中、皆抉取両目、人怯無拾取者、云。 〇相良波津者、途中見天狗頂所蹋草鞋、伏地、天狗速去矣 (解読) 同(天狗二題) 〇相良、平田、坂井等、海上、天狗時々魚を捕る。赤火燃え、 翌 (あくるひ) 往き これを見るに、魚数頭 (すうとう) 、岸上 (がんじょう) 砂磧 (しゃせき) 中に在り。 皆、両目抉 (えぐ) り取り、...

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(36)平田寺木樨

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キンモクセイ(木樨) (ネットより拝借) 2026.8.19 午前中、散髪に行く。三日連休の後だという。休み中、二度ほど前を通ったが、休みだった。店主ももう81歳、今回から300円値上がりして、4300円となった。長く3900円が続いたが、ここへ来て、4000円、4300円と、立て続けに散髪料が上った。諸物価値上がりでやむを得ないところか。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文)   平田寺木樨 平田邑汲江山寺、有木樨朽腐者、周囲垣之、 開祖竜峯師時、日坂菊川辺有怪禽、 其羽如刃、 触者立死、三位某将弓手隊射殺之、泊駅数月、 三位密通其舎処女、 名菊者、去後生一児、 及長託竜峰、有悪星為鬼来欲奪、竜峰期以十歳、 鬼題児額以十字、及期而来、加一点十上曰、 嘗以千歳為期、何来之早、鬼屈将去、 作偈示之、 鬼不能和為転之木犀、樹々枯鬼去、至今植木犀不殖云、 是流俗所伝称、 不足信焉、現住曰、翠巌好吟詩、 頗有識見一日話及之晒而不応。 (解読) 平田寺木樨 (平田寺モクセイ) 平田邑 汲江山寺 (きゅうこうざんじ) 、木樨 (もくせい) 朽腐 (きゅうふ) のもの有り。 周囲この垣、 開祖龍峯師の時、日坂、菊川辺り 怪禽 (かいきん) 有り。 その羽 (はね) 刃 (やいば) の如く、 触れる者 立ち死ぬ 。三位 (さんみ) 某 (ぼう) 将、 弓手隊 (ゆみてたい) これを射殺す。駅 (宿) に泊まり数ヶ月、 三位、その舎 (宿) の処女と 密通す。名を菊という者、去りて後、一児生まれ、 長きに及び、龍峰に託す。 悪星 (あくせい) 有り、鬼来たり奪わんと欲す。 龍峰、十歳を以って期 (ご) し、 鬼、児の額に十字を題 (しる) す。 期及びて来たり、一点を十の上に加 え曰 (いわ) く、 「嘗 (かつ) て以って、千歳と 期 (ご) し たり。 何来之早 (なにくるのはやし) 。」 鬼屈して将 (まさ) に去らんとし、 偈 (げ) を作りこれを示す。 鬼和 (わ) し能 (あた) わず。 この 転 (うたて) のため、木犀 (もくせい) 、樹々枯れ、鬼去る。 今に至り、木犀を植え 殖 (そだ) たずと云う。これ 流...

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(35)閑田院蘇鉄

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御前崎市 下朝比奈の 閑田院 今もソテツが残っているのであろうか   2026.8.18 土曜日の金谷郷土史研、「竹下村誌稿」講義を頼まれているが、何を話せばよいのか、未だ決めかねている。今、頭にあるのは、以下の三点くらいだが、どうしようか。  1  「竹下村誌稿」解読のいきさつ  2   五和村の開拓の話  3  「天正の瀬替え」はなかった話 こんなところだと思うが、どうであろう。あと三日で内容をきっめなければばらばい。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 閑田院蘇鉄 朝比奈邑、閑田院大鉄蕉、高不及能満之種、 大則倍之、幹立者臥者成勢如走者、蟠根虎踞、 竜躍鳳尾蓋之、不知其幾百茎也、此種蓋州第一、 人知有能満面不知有閑田也、樹亦有幸不幸哉 (解読) 閑田院蘇鉄 ( ソテツ) 朝比奈邑 (むら) 、閑田院 (かんでんいん) 大鉄蕉 (そてつ) 、高さ能満 (寺) の種におよばず。 大きさ則 (すなわ ) ち、これの倍。幹立つもの、臥 (ふ) すもの、勢い走るが如き なるもの、 蟠根 (ばんこん) 虎踞 (こきょ) 、 竜躍 (りゅうやく) 鳳尾 (ほうび) これを蓋 (おお) う。その幾百茎 (いくひゃくけい) を知らざるなり。 この種、蓋 (けだ) し州 (遠州) 第一。人、能満 (のうまん) 有るを知りて、 閑田 (かんでん) 有るを知らざるなり。 樹、また、幸不幸有るかな。 (語注) ※ 蟠根(ばんこん)➔ 曲がりくねった根。わだかまった根。 ※ 虎踞(こきょ)➔ 虎がうずくまる。 ※ 竜躍(りゅうやく)➔ 竜のように勢いよく躍動する。 ※ 鳳尾(ほうび)➔ 蘇鉄の葉。 ( 続く)

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(34)能満寺蘇鉄/能満寺

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  能満寺のソテツ(鉄蕉) 2026.8.17 今朝、元勤めていたK社のKK氏から電話があり、K社のセールスだったN氏が亡くなったと聞いた。享年81歳。往時同僚だった人たちが次々に亡くなってゆく。寂しい限りである。 同時に、K社の状況を聞いたところ、8月決算の今年度は、過去最高の売上高を記録し、利益も最大になるという。まずは素晴らしい話だが、近くのボイラー制作会社を買収する話も進んでいるという。ボイラーはプラントに必需だから、無くなっては困るからの買収だというが、余裕がなくては出来ない展開である。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 能満寺、蘇鉄 鉄蕉喜南国、故駿遠両州有大樹、吉田村能満寺以鉄蕉聞焉、 巡部之次往而観之、高二丈二尺余幹大一丈一尺余、 東西張枝周囲六七間、踰楣払屋瓦鳳尾下垂数十茎、 可称壮観矣、 住僧有雅韻、迎出唱一絶、乃作和、 又題鉄蕉而去 (解読) 能満寺、蘇鉄 鉄蕉 (てつしょう) 南国を喜ぶ。故に駿遠両州、大樹あり。吉田村能満寺、 鉄蕉 を以って聞こえる。 巡部 (じゅんぶ) の次 (つい) で、 往きてこれを観る。 高さ二丈二尺余、幹大きさ一丈一尺余、 東西張り枝、周囲六七間、 楣 (まぐさ) を踰 (こ) え、 屋瓦 (おくが) を払い、 鳳尾 (ほうび) 下垂 (しただ) れ 数十茎 (けい) 、 壮観と称すべき。住僧 雅韻 (がいん) 有り。迎え 一絶 (いちぜつ) を唱 (とな) う、 乃 (すなわ) ち和を作 (な) し、 また 鉄蕉 (てつしょう) と題して去る。 (語注) ※ 鉄蕉(てっしょう)➔ ソテツの別名。 ※ 巡部(じゅんぶ)➔ 巡撫。地方を巡回して、人民の心を安んじなだめること。 ※ 楣(まぐさ)➔ 窓や出入口の上に水平に渡した横木。 ※ 屋瓦(おくが)➔ 屋根がわら。 ※ 鳳尾(ほうび)➔ 植物「芭蕉」をたとえていう。ここでは蘇鉄の葉。 ※ 雅韻(がいん)➔ 風流な味わい。上品な風情。 ※ 一絶(いちぜつ)➔ 一つの絶句。一首の短歌の意にも用いる。 (原文) 能満寺 能満寺頗大刹、国初時住寺某、茶阿局兄弟、 故局死後其珍器皆此収焉、今不多存云、...