「蕉園渉筆」(漢文)を読む(54)弓/卜陰晴
「蟹、樹に上ると必ず晴れ」 2026.9.9 朝、まきのはら塾「古文書解読を楽しむ」受講者のMさんから電話があり、体力的にもう受講が無理になったから、講座の受講を止めるという。講座最高齢で、年度初めに、どうしようか迷ったけれど、何とか一年続けようと決心したと聞き、受講されていたのだが、大変残念である。 今日の講座が終ってから、欠席された4回分の資料を、受講者の一人に届けてもらった。夕方、また電話があり、届けた資料の御礼と、出て来た「蕉園涉筆」のガリ版刷りの解読文書を、届けた女性に差し上げたと聞く。何と、話に聞いていた戦後まもなくに解読されたガリ版刷りがここに あった。是非見たいので、その受講者にコピーを頼もうと思った。 「 蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 弓 〇国家禁民講武、著在令甲諸州遵守而不敢犯、 所以防乱源也、 而遠州之民公然学射、問之伝云、 神祖所許不知何故也、 或云御方原役駿遠参三州従軍、 故許之云 (解読) 弓 〇国家、民 (たみ) に 講武 (こうぶ) を禁ず。著しく、甲諸州に 令 (れい) 在り。 遵守 (じゅんしゅ) して敢えて犯さず。乱の源 (みなもと) を防ぐ 所以 (ゆえん) なり。 而 (しか) して、遠州の民、公然と射 (い) るを学ぶ。これを問うに伝 (でん) 云う、 神祖、許す所、何故 (なにゆえ) か知らざるなり。或は云う、 御方原役 (三方ヶ原の戦い) 、 駿・遠・参、三州従軍 (じゅうぐん) 、 故にこれを許すと云う。 (語注) ※ 講武(こうぶ)➔ 武道を習うこと。武芸を鍛えること。 ※ 令(れい)➔ 命令。布告。また、法令。 ※ 遵守(じゅんしゅ)➔ 法律・道徳・道理などにしたがい、それを守ること。 ※ 所以(ゆえん)➔ わけ。いわれ。理由。 (原文) 卜陰晴 相良之民以波響及蟹挙樹、卜陰晴、問之曰、 蟹上樹必晴、波響在西必雨 (解読) 卜陰晴 相良の民、波の響き、及び蟹 (かに) 樹 (き) に挙 (あぐ) るを以って、 陰晴 (いんせい) を占う。これを問いて曰、「蟹、樹に上ると必ず晴れ、 波の響き、西に在ると必ず雨。」 (語注) ※ 陰晴(いんせい...