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「蕉園渉筆」(漢文)を読む(27)奕患

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静岡城北公園のサルスベリの花   2026.8.7 午後、駿河古文書で静岡へ行く。駐車場、今日は何とか駐車出来た。今日の課題は来週火曜日、基礎コースで講義しなければならない。原本は写したもののようで、書き癖があって、中々大変のようだ。また読み方も昔の読み方に近づけるには、ハードルが高そうである。 「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 奕患 遠州古無奕患、近歳他国奕徒来誘之、爾来盛行云、 禁之用厳則至他而為之、要各部不一致故也。 (解読) 奕患 (ばくち病) 遠州、 古 (いにし) えより 奕患 (えきかん) なし、近歳 (年) 他国 奕徒 (ばくと) 来たりて、 これに誘う。 爾来 (以来) 、盛んに行わると云う。これを禁ずるの用、厳しく、 則 (すなわ) ち、 他に至りてこれを為す。要は各部不一致の故なり。 (語注) ※ 奕患(えきかん)➔ ばくちのうれい。ばくちの病気。 ※ 奕徒(ばくと)➔ 博徒。ばくち打ち。 ( 続く)

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(26)疝疾

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猛暑、晴天、向かいの使われていない畑の端 並んだ柿の木をくずの葉が覆う 向こうの西山が隠れるほどに繁茂している 2026.8.6 朝から冷房の効いた部屋が離れられない。 「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 疝疾 東南風温煖而西北風寒涼、万国所同然也、遠州東風必涼、 西風必温、動東西相扇、温涼相搏、甚不可人身、能醸疝疾、 土人謂之合戦風、不問男女老壮、蓋莫不患疝者矣、百薬不応、 風変則立治、吏之役者、或即時発、或一二年而亦不免云、 余来三年、今茲始嬰患、按与医書中疝者異矣 (解読) 疝疾 (腹痛 (はらいた) ) 東南風温暖にして、西北風寒涼 (かんりょう) 、万国同然の所なり。 遠州東風、必ず涼し。西風必ず温 (あたた) かし。東西動き相扇 (あいあお) ぐ。 温涼相搏 (あいう) つ。甚だ人身によからず。能く 疝疾 (せんしつ) を 醸 (かも) す 。 土人これを 合戦 (かっせん) 風 (かぜ) と謂 (い) う。男女老壮を問わず、 蓋 (けだ) し、 疝 (せん) 患 (わずら) わざる者莫 (な) し。 百薬応ぜず。風 (かぜ) 変わり、則ち立ち治る。 吏の役者 (赴任した役人) 、或は即時 (そくじ) 発し、 或 (ある) は一、二年して、 また免 (まぬが) れずと云う。余、来たりて三年、今ここに始めて 患 (かん) に嬰 (かか) る。按ずるに、与 (よ) 、医書中 疝者 (せんじゃ) と異なる。 (語注) ※ 疝疾(せんしつ)➔ 腹部・下腹部の急激な痛みを起こす病の総称。 ※ 醸(かも)す ➔ ある状態・雰囲気などを生みだす。 ※ 患(かん)➔ 病気。 ※ 疝者(せんじゃ)➔ 疝気の症状を訴える病人。 ( 続く)

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(25)坂井

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相良名物「あらめ」 (ネットより拝借) 「さがらめ」とも称す。 海帯はこのことか。     2026.8.5 一日、金曜日の駿河古文書会の予習。文字が我流というか、中々手ごわい。 この教材は基礎講座の講師を頼まれていて、どう説明するかなどと考えて、手間取る。 「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 坂井 坂井村民、高天神役移于駿之富士山下、帰住者僅二十余家、 爾後二百余年、民窮甚矣、近時知投洋中采海帯、稍々致富、 挙邑務農、采海帯、朝則夙就業、夜則斉織席、愈勤愈利、 買田作船、戸々有蓄、然而能守倹、行不躡履、坐不布席、 戸数今三倍於古、甲申冬余聞于太公有賞賜、励他村里、 須々木邑、貧民有子数人、近時又生品胎、共無恙、 先官聞太公、公憐之賜金十円云 (解読) 坂井 (坂井村村民) 坂井村民、高天神の 役 (えき) にて、駿 (州) の富士山下に移る。 帰住者僅 (わず) か二十余家、 爾後 (じご) 二百余年、民 (たみ) 甚だ 窮 (きゅう) す 。 近時、洋中に (身を) 投げ、 海帯 (かいたい) を採ることを知る。稍々 (やや) 致富 (ちふ) す。 邑 (むら) を挙げて農に務め、海帯を採り、朝、則 (すなわ) ち 夙 (つと) に 業に就き、 夜、則ち 織席 (しょくせき) に斉 (そろ) う。愈 (いよいよ) 勤め、愈利 (り) し、田を買い、 船を作る。戸々に蓄え有り。然して能 (よ) く 倹 (けん) を守り、 履 (はきもの) を 躡 (は) かず行き、席 (むしろ) を布 (し) かず坐る。戸数今、古 (いにしえ) の三倍。 甲申 (文政七年) 冬、余 、 太公賞賜 (しょうし) 有りて、他村里 (そんり) を励ますと聞く。 須々木邑 (むら) 、貧民、子数人有り。近時また 品胎 (ひんたい) を生む。 (母子) 共に 恙 (つつが) なし。先官、太公に聞き、 公憐 (こうれん) の 賜金 (しきん) 十 円 と云う。 (語注) ※ 役(えき)➔ 戦い。戦争。 ※ 爾後(じご)➔ ある事があってからのち。そののち。それ以来。以後。 ※ 窮す(きゅうす)➔ 行きづまって身動き...

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(24)木主粘着

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  ヨウシュヤマゴボウの花?実? 裏の畑の雑草の中で妙に目立つ 北アメリカ原産の帰化植物で毒性があるらしいから要注意! 2026.8.4 今日、新しいクーラーの代金を振り込もうと銀行へ行った。キャッシュカードで振り込もうとしたが、案の定、機械に拒否された。聞けば、70歳以上の人は、警察からの申し入れで、銀行の確認がなければ振り込みは出来ないと聞く。たしか以前は金額によってだった気がしたが、今は金額の多寡にかかわらず振り込みができないと聞いた。免許証や電気屋さんの請求書を見せたりして、手続きを終えて、何とかキャッシュコーナーで振り込みを済ませた。行員に「歳は取りたくないものだね」と問わず語り。 「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 木主粘着 下吉田邑、勘三郎、嗜酒、酖色、不祭祖先を久矣、一邑為無頼、 一日裸体酔臥於祠堂前、木主下墜粘着其背、百方不脱殺皮肉取之 (解読) 木主粘着 (位牌粘着) 下吉田邑 (村) 、勘三郎、酒を嗜 (たしな) み、色に酖 (おぼ) れる。祖先を久しく祭らず。 一邑 (村) 無頼 (ぶらい) として、一日、裸体で 祠堂 (しどう) 前に 酔臥 (すいが) す。 木主 (もくしゅ) 墜 (お) ち下り、 その背に 粘着 (ねんちゃく) す。 百方 (ひゃっぽう)(手を尽くすも) 脱せず。 皮肉 (ひにく) を殺してこれを取る。 (語注) ※ 無頼(ぶらい)➔ 酒や女遊びにふけること。放蕩。 ※ 祠堂(しどう)➔ 寺の、檀家の位牌いはいを納めておく堂。位牌堂。 ※ 酔臥(すいが)➔ 酒に酔って寝ころぶこと。 ※ 木主(もくしゅ)➔ 神または人の霊にかえてまつる木製のもの。みたましろ。位牌。 ※ 粘着(ねんちゃく)➔ ねばりつくこと。 ※ 百方(ひゃっぽう)➔ あらゆる方面。種々の方法。多く副詞的に用いる。ほうぼう。あれこれ。 ※ 皮肉(ひにく)➔ 皮と肉。また、からだ。 ( 続く)

【活動の記録】と【読了図書】7月1日~7月31日

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七月十九日、帰郷の際、暑い出石城址から見た出石の城下町 真ん中の塔が辰鼓樓 2026.8.3 昨夜、久しぶりに推理小説を読んでいたら、今朝の四時まで起きていた。おかげで日中二度ほど、新しいクーラーの部屋で昼寝。これはちょっとまずかった。 7月の 【活動の記録】と【読了図書】を記しておこう。   *******************************************************    【活動の記録】 7月3日    午後、 駿河古文書会。 7月8日    午後、まきのはら塾 「古文書解読を楽しむ」 講座講師。 7月9日    午後、 掛川古文書講座受講。 7月10日   午後、 駿河古文書会。 7月11日   午後、「静岡の考古学と歴史」講座。 7月15日   午後、金谷郷土史研当番、「 蕉園渉筆 」の紹介。    7月18日    午前、 金谷宿大学「古文書に親しむ(初心者)」講座教授。         午後、金谷宿大学「古文書に親しむ(経験者)」講座教授。 7月19日   故郷、豊岡墓参り一泊。 7月20日   故郷、豊岡より帰宅。 【読了図書】 読書:「南の罠 ラストライン 8」 堂場瞬一 著 【解読本】 上越秋山紀行 下巻       鈴木牧之著 現在作業中のもの   蕉園渉筆(漢文)       小島 蕉園著  硯石日記 1          硯屋弥惣次著

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(23)寒柿/墓揺

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  長岡大花火(ネットから拝借、今年のものではない) 今夜、NHKのテレビで見る 2026.8.2 昨夜は、大井川の花火大会で賑わったようだが、我が家からは音はすれども見えない。かといって、今は見物に外へ出る気にはならない。一日遅れで、長岡大花火をテレビ中継していたので、居眠りしながらそちらを見た。 午後3時から、久しぶりの班の常会があり 出席した。出席者は15人ほどであった。家を建ててから早や50年近くになり、多いときは30軒を越す班だったけれども、今回、2軒、人が住まなくなって班から外れる家が出て、20何軒かに減ってしまった。確実に町は老いていくものだと、切実に感じる。 「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。 *********************************************************************** (原文) 寒柿 西山寺村山中有一柿樹、寒中結実、蓋異樹也 (解読) 寒柿 西山寺村山中 (さんちゅう) 、一柿樹 (柿の木) 、寒中に結実す。蓋 (けだ) し、 異樹 (変わった木) なり。 (原文) 墓揺 相良畳屋長兵衛母、生長兵衛輙死、父与三郎、無資、 不得葬墳寺、埋屍海浜松林中、長兵衛成能務農事、稍々家興、 及父没具礼葬其墳寺、欲移母合葬、乃至松林中告之、 墓石揺動而不止、竟改葬焉 (解読) 墓揺 (墓揺れる) 相良畳屋長兵衛母、長兵衛生まれ、輙 (すなわち) 死す。父、与三郎、 資 (もとで) が無く、 葬 (ほうむ) る 墳寺 (ふんじ) を得ず、屍 (しかばね) を 海浜の松林中に埋む。 長兵衛成 (そだち) て、能 (よ) く農事に務め、 稍々 (しょうしょう) 家を興す。 父没すに及び、 礼葬 (れいそう) に具 (そな) え、その墳寺 (ふんじ) 、 母と 合葬 (がっそう) に移さんと欲す。 乃 (すなわち) 、松林中に至りこれ を告ぐ。 墓石揺れ動いて止 (や) まず、改葬 (かいそう) を竟 (おえ) る。 (語注) ※ 墳寺(ふんじ)➔ 菩提寺。 ※ 稍々(しょうしょう)➔ 次第に。だんだん。 ※ 礼葬(れいそう)➔ 葬礼。葬式。 ※ 合葬(がっそう)➔ 同一の墓に二体以上の遺骸または遺骨を葬ること。 ( 続く)

「蕉園渉筆」(漢文)を読む(22)浅草海苔

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アサクサノリ (ネットより) 「内湾や河口の潮間帯 において、 ヨシ などの茎、杭、貝殻などに着生している。」   2026.8.1 朝は早く目が覚めたので、午後昼寝しようとしていたら、Nさんから電話があり、今、金谷郷土史研の「竹下村誌稿」の2回目の講義があるという。もう皆んな集まっているというではないか。自分の頭では明日の日曜日と思い込んでいた。すぐに行くと、何とか開始に間に合った。二度目の失敗のように思う。歳を取るとこんな失敗が増えるのだろう。次回は自分が講義をしなければならないから、三度目は許されない。 「蕉園渉筆」解読の続きを少し載せる。 浅草海苔 が 「 川瀕 (ぞ) いの 所産 」 とはどういうことか。疑問に感じて調べてみたら、写真の説明のように、もともと、河口のヨシの茎などに着生していたものと書かれていた。成程と納得した。 *********************************************************************** (原文) 海苔 海苔以江都浅草為佳品、即瀕川所産也、 其他各方所出皆不及、 製亦甚踈、遠州不産、 近時、松坂海出之、土人 招 浅草工匠製之、 至上品也、但香気稍 譲 浅草耳 (解読) 海苔 海苔 (のり) 、江都 (江戸) 浅草を以って 佳品 (かひん) となす。 即 (すなわ) ち 川瀕 (ぞ) いの 所産 なり。 その他、各方 (かくほう) 出だす所 (ところ) 、 皆な及ばず。製 (つく) り また甚だ踈 (あら) い。遠州は産せず。 近時、松坂 (舞坂) 海 これを出す。土人、 浅草工匠を招き、これを製す。 至上 (しじょう) の品なり。 但し、香気、稍 (やや) 浅草に譲るのみ。 (語注) ※ 佳品(かひん)➔ よい品物。 ※ 至上(しじょう)➔ この上もないこと。また、そのさま。最上。最高。 ( 続く)