誰がこんな21世紀を想像したか(1) 戦争
2025.9.9
21世紀がこんな世紀になってしまうとは、誰が想像したであろうか。
21世紀を迎えたのは自分が54歳の時だった。20世紀は世界大戦が2度もあり、戦争の世紀との印象はあるが、太平洋戦争が終った翌年に生まれた自分には、直接的な戦争体験はなく暮らしてきた。つまり、日本では半世紀以上戦争はなかったことになる。今考えてみると、これは大変稀有なことで、近現代史においては奇跡に近かったと思う。
21世紀の終わりごろ、ベルリンの壁が崩壊(1989)、ソビエト連邦崩壊(1991)に続くロシアの民主化によって、一時、東西冷戦もこれで終わりを告げると、皆んな喜び、期待したはずであった。
しかし、21世紀の今は、独裁国家が増え、覇権主義が世界を席巻して、民主主義はもう古いと言わんばかりである。ロシア、中国、北朝鮮と、民主主義を否定する国々はともかく、民主主義の旗頭であったはずのアメリカが、トランプ大統領となって、大きく覇権主義に舵を切ったように感じる。トランプ大統領はアメリカの慣例や国際貢献などを無視し、国内法すらないがしろにして、これで大統領8年の制限を撤廃するようなことになれば、アメリカも独裁国家になり果ててしまうであろう。
ロシアのウクライナへのやり口は、核兵器を背後の盾として、推し進めている。核がなければ、ロシアは欧州諸国にたちどころに叩かれて、敗北しているはずである。欧州諸国もロシアの核を恐れて、手が出せないでいる。中国や北朝鮮がそれから学んでしまうと、日本も恐ろしいことになる。
トランプ大統領が擁護する、イスラエルのパレスチナに対するやり口は、まるでホロコーストの再現のように見える。イスラエル国民はネタニヤフ首相を支持しているのだろうか。すべてを知っていて支持しているとすれば、ヒットラーがユダヤ人を抹殺しようとした動機がそのあたりに見えるような気がするが。おそらく厳しく報道規制されているのであろう。
先の大戦後、それまで植民地であったような新興国に、先進国は民主主義を金科玉条に、政治体制を敷こうとしてきた。しかし大切なことを忘れていなかったか。民主主義の成功のためには、民衆が自由な発想ができるべき教育を受けることが必要不可欠な事を。自分で自由な発想ができる状態なくして、民主主義は成功しない。民主主義を目指した多くの国々で、内乱が続いているのも、多数決で決まった事柄には、不満はあっても従うという民主主義の基本が理解できていないからである。民主主義の先進国であるべきアメリカで、大統領選挙に不正があったとして暴動が起きるさまは、とても正視出来ないことであった。
21世紀も四半世紀を経過して、21世紀は我々が想像していなかった様相を呈している。しばらくは、21世紀を迎えた54歳の自分が想像すらしていなかった、21世紀の数々の現象を取り上げてみよう。
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