人口減少問題を考える(3)成果第一主義が人口減に追い打ちを
午後、掛川古文書講座に出席。今日の古文書は、江戸時代、江戸参府の途中、掛川で亡くなった、オランダ商館のキャピタンについての文書で、大変珍しいものであった。キャピタンが葬られた天然寺の和尚が、キャピタンの永代供養について、参府途中のオランダ商館とのやり取りを記したものである。文字がかなり我流で解読が難しい課題であった。
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「人口減少問題を考える」を続けよう。
企業が、成果第一主義になった結果、若者の給料は一部の者を除いて、年々の昇給はなくなった。物価が安定していたから、若者たちの反応はなかったが、10年、20年と経っても、給料が上がらないでは、住宅の手当てもままならず、いつまでも親のすねを齧っている若者も多かった。幸い年功序列時代の親は、資産もある程度形成できて、年金もそれなりに受けていたから、すねの齧り出はあった。結果、結婚も出来ない、子供も持てないという若者たちが珍しくなくなった。
事実、結婚して生計を立てるためには、一人の給料では賄えず、夫婦共稼ぎが必須となっている。稼ぎ手が一人ではとても生活を維持できないから、結婚しても、子供を作るにはためらいが出て、まして複数の子供を持つなど、とても出来ることではなく思われた。
一方、年功序列で給料が上がる可能性がなくなった若者たちは、就職氷河期だったこともあるが、拘束を嫌い、臨時社員となって自由を選ぶようになった。また、あるいは企業側もその方が安上がりと、正規社員を取らなくなった。
誰もひたひたと忍び寄る人口減の社会に、気が付かない振りをしていた。ようやくこの頃、人口減の結果、求人難の社会になっていることを否応なく認識することになる。しかしそうなってから騒いでも遅いのである。一度減り始めた人口を求人難を問題視し、回復を図ろうとしても、最低でも20年掛かることを自覚しているのであろうか。
最近、円安が進んで、日本人は自分たちの給料水準が、先進国のみならず、いくつかの新興国にも抜かれていることに気付いて愕然とした。今、海外から日本へ観光客が殺到しているのも、円安のみならず、人件費の安い日本は桁違いに物価が安いことに起因している。
じゃあ、どうすればよいのか。後進国の外国人をたくさん入れて、日本を日本でなくすることしか、方策はないのか。方策はあることはある。ただそれを実施に移す、政治家、企業家がいるかどうかである。次回、その方策を述べてみよう。
(つづく)
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