昨日、駿河古文書会にて、「讀 → 覧 → 纔」

  

御觸請印帳(十三)の解読できなかった部分 

 2025.10.18

昨日、駿河古文書会の課題、「御觸請印帳(十三)」の中で、解読が十分できなかった部分について、帰宅後あれこれと検討を加えた結果、答えが見つかったので、以下へ記し置こうと思う。先ずは解読の上、どこが疑問に残ったのか、記す。

初めの自分の解読は以下の通りである。 

【 解 読 】 

町頭衆中寺手形

申年十月、被 仰渡候

文言御認可被成候。

町頭、組頭、名前・印形(がえ)役替(やくがえ)

致候ハヽ、其訳下ヶ札被成可被遣候。

且、名前文字、同覧相違

無之様、御書可被遣候。此段

為御心得、相觸申候、以上。

  午十月四日     年行事

この御触れは、例年の通りに宗門改めの清帳を提出すようにとの御触れで、その要領を示した後半の部分である。(前半は割愛) 

名前や印形替え、役替えがあったときは、下げ札を付けるようにと注意の後、問題の部分になる。(「下げ札」は「付箋」のこと) 

「且つ、名前文字」の後、二文字が問題になった。講師は「同讀」と読んで、同じ読みの相違これ無き様」と読んだが、自分は「同覧」ではないかと意見を述べた。文字はそのように見えたのだが、うまく読めないので、結論が出なかった。 

問題は、この一文字をどう読むのかである。帰宅後、色々考えて、の字を思い付いた。くずし字辞典で見ると、似たくずしもあった。ではこの字をと読むとどのように読めるか。 

「且つ、名前文字同じ、纔(わずか)の相違これ無き様、御書遣(つかわ)され候。」

うん、これで読めた。つまり、以前に提出したものと、付箋を付けないで文字を変えることを禁じたと解釈できる。

の一文字は、「讀 → 覧 → 纔」と移って、何とか落ち着いたと思う。

古文書の解読はこんなことの連続である。  

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