「出る熊は撃たれる」これは致し方ないが

 
美食に丸々と太った熊 
 まるで平成の相撲取り(テレビのニュースより)

2025.11.17

中国の「日本は治安が悪くなった」という口実は、もしかして熊の出没を言っているのかもしれない。

この頃は、毎日々々熊のニュースがテレビを賑わしている。昨年まで、こんな熊が注目されるとは想像だにしていなかった。山の実りが不作というけれども、最近の熊は、山よりも里に出た方が美味いものを食える、と学んでしまったように見える。しかし、これだけ人間の生活領域に出て来たら、動物保護を主張する人々も、駆除に異論は出せないようだ。つまり「出る熊は撃たれる」、これは、やむを得ない事だと思われる。

ただ、熊を駆除するだけであれば、それは殺生以外の何ものでもない。駆除した熊の遺体を、もっと有効に利用することを考えるべきである。シカやイノシシはジビエとして食料にしている。熊はどうだろう。余り美味いとは聞かない。

「熊の胆」があるじゃないか、との声が聞こえてくる。子供のころ、故郷の実家には、タンスの引き出しに、真っ黒い「熊の胆」があった。お腹が痛いというと、お袋が裁ちばさみで熊の胆を削って飲ませてくれた。苦いだけの欠片だったが、「熊の胆」は子供たちには良く効いたと記憶している。山暮らしの小父さんが、町へ売りに来る。ほんの小さな塊りが、随分いい値だと聞いた。

20年ほど前、大代に熊が出て駆除され、解体された様子を写真で見た記憶がある。以下、かさぶた日録の2006.12.7の記事には、次のように書いている。

「熊の胆」となる熊の胆嚢は取り出されて、中に胆汁をいっぱい入れたまま、水の入った風船球のようにぶら下られた写真もあった。胆嚢は想像したより大きかった。この胆嚢は漢方薬の店にかなり高値で引き取られたという。肉は立ち合った人たちに分けられたようで、廻り回って町の料理屋さんにも分けられ、そこで熊の肉を食べたと教えてくれたブログの読者もいた。何はともあれ、熊は無駄に捨てられることがなくて良かった。南無阿弥陀仏。 

何か有効な利用を考えれば、そしてそれが幾許かのお金になるならば、猟友会の人たちの手当てや、駆除に使われる公費の補填になるかもしれない。「熊の胆」は、現在でも中国では民間薬として重宝されているようだから、ホタテのように乾燥して、中国へ輸出すればよい。 

里に出てきて、美味い食べ物やカキやリンゴをたくさん食べ、平成の相撲取りのように、良く太った熊をテレビで目にするたびに、この冬もたくさんの子熊が育ち、騒ぎは延々と続いて行くような気がする。食べ物が沢山あれば、熊も冬眠しないともいう。 

各地の猟友会、自衛隊、警察などが活躍しても、どこまで熊が駆除できるであろうか。幸い当地には熊は出ていないが、毎日テレビに出現して、心配なことである。

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