自分古文書(16)遠江三十三観音巡礼(1)

 
 遠江三十三観音 第1番結縁寺
写真は現在の結縁寺観音堂(ネットより拝借)
観音堂は昔のままのように見える 

 2025.12.5

平成5年、今から30年余以前、会社で当時親しかった3人の先輩に、「遠江三十三観音巡礼」を昔のように歩いて巡ろうと声を掛けた。計画は自分で作り、記録係でもあった。その記録が自分古文書として残っている。

今では、その先輩3人もすでに彼岸へ旅立ってしまった。あちらの世界でも、観音巡礼を続けていたら、きっと楽しいだろうなと思う。 

記録はこんな風に始まる。 

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遠江三十三観音巡礼

 『遠江三十三観音霊場巡り』は、掛川を中心にして、江戸時代の初めから続く民間信仰である。西国三十三番札所や坂東三十三番札所の成立と習俗を模して作られたものといわれている。故郷の、是非残していきたい貴重な有形及び無形の文化財だと思う。その存在は数年前から気にかかっていた。いつか巡りたい。もちろん、巡るならば昔の人達のように歩いて巡りたい。鈴さん・和さん・臼さんに呼びかけ、4人の巡礼団が出来上がった。『奉納経帳』は和さんが手に入れて来てくれた。そして巡礼団は出発した。

遠江三十三観音巡礼団は行く  遠江三十三観音巡礼①

第1番 一澤山結縁寺 第7番 福聚山慈眼寺

日時 平成5年2月11日(木)建国記念の日 天候 曇り後晴れ

巡礼出発直前になって、歩くのは大変だから車で行きたいという、弥次喜多コンビ(和さんと臼さん)を、何とか初日だけでも歩こうと、鈴さんと二人で説得して今日の日を迎えた。

 初日を建国記念の日からスタート出来たのは大変意味深い。和さんは切符自動販売機の使い方もよく分からない程、電車には殆ど乗ったことがないという。 

【歩程】第1番-結縁寺へ、南へ1.5km

 掛川駅南口で降り、真っ直ぐ南へ歩く。歩道で和さんが10円拾った。「早起きは10円の得だ、早速御利益があった」とふざけながら、皆んな元気一杯である。東名のガードを潜り、小さな峠を越えて結縁寺の部落へ出る。一番札所の看板の、向こうの山陰に結縁寺の観音堂が見えてきた。

結縁寺は無住のお寺であった。朱印を貰おうと、一番近くのお宅に聞いた所、世話役のお婆ちゃんを電話で呼んでくれた。自転車で駆けつけて、鍵を開け朱印を打ってくれた。お金は100円に統一されているらしく、この後、全て100円ですんだ。このお婆ちゃんも、この頃、三十三観音を巡ったという。

第1番 曹洞宗 一澤山(いったくざん)結縁寺(けつえんじ)

父母の 恵も深き 結縁寺 あかいの水に 浮かぶ月かげ

【本尊】聖観世音菩薩   【所在地】掛川市結縁寺

 (つづく)

さあ、巡礼は始まった。どんな旅になるのやら。  

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