「蕉園渉筆」(漢文)を読む(3)御前崎厩崎、民異病不治/蟹行低障

陰線和田山駅構内の旧修理工場だろうか?
もう何十年も屋根のない工場が放置されている
故郷へ帰る度に停車の度に見て来た(6月12日撮影)

 2026.6.24

「蕉園渉筆」の続き。

(原文)

御前崎厩崎、民異病不治

〇厩崎之民、以覆没之患、為利、不救其可救

者、或害之故覆、奪其財貨、由此民往々致

富、然天之不容、異病不治者多云、

(解読)

御前崎・厩崎(うまやざき)、民異病不治

 〇厩崎(御前崎)の民、覆没の患を以って利を為す。その救うべき者を救わず。

 或るは、これを害する故、覆(ふく)し、その財貨を奪う。

 この民、往々致富(ちふ)の由。然し、天の容(ゆる)さざる所、

 異病(いびょう)不治(ふじ)の者多しと云う。

(語注)

※ 厩崎(うまやざき)➔ 御前崎の地名由来の一説。馬の生産地として知られていたことから 呼ばれた。
※ 覆没の患(ふくぼつのかん)➔ 船沈没のわざわい。
※ 致富(ちふ)➔ 金持かねもちになる。

御前崎の厳しい悪口だが、蕉園さん、初めに「真偽を問わず」と断っている。単なるうわさ話であろう。

(原文)

蟹行低障

始入官舎夜、屏障有鼠齧紙声、逐而不去、燃燭視之、蟹横行也、

間之、海国所常有云、都下所不見也、

(解読)

蟹行低障

 始め入る官舎の夜、屏障(へいしょう)、鼠(ねずみ)紙を齧(かじ)る声(音)あり。

 逐(お)っても去らず。燃燭(ねんしょく)これを視る。蟹横行(おうこう)なり。

 この間、海国常(つね)有る所と云う。都下(とか)、見ざる所なり。

(語注)

※ 屏障(へいしょう)➔ 間を隔てたり、見えないようにしたりするために立てるもの。屏風や衝立など。
※ 燃燭(ねんしょく)➔ 灯をつける。
※ 横行(おうこう)➔ 横へ進むこと。横向きに歩くこと。
※ 都下(とか)➔ 都のうち。みやこ。

こんな他愛ない話も散見する。

(続く)

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