「蕉園渉筆」(漢文)を読む(34)能満寺蘇鉄/能満寺
2026.8.17
今朝、元勤めていたK社のKK氏から電話があり、K社のセールスだったN氏が亡くなったと聞いた。享年81歳。往時同僚だった人たちが次々に亡くなってゆく。寂しい限りである。
同時に、K社の状況を聞いたところ、8月決算の今年度は、過去最高の売上高を記録し、利益も最大になるという。まずは素晴らしい話だが、近くのボイラー制作会社を買収する話も進んでいるという。ボイラーはプラントに必需だから、無くなっては困るからの買収だというが、余裕がなくては出来ない展開である。
「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。
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(原文)
能満寺、蘇鉄
鉄蕉喜南国、故駿遠両州有大樹、吉田村能満寺以鉄蕉聞焉、
巡部之次往而観之、高二丈二尺余幹大一丈一尺余、
東西張枝周囲六七間、踰楣払屋瓦鳳尾下垂数十茎、可称壮観矣、
住僧有雅韻、迎出唱一絶、乃作和、又題鉄蕉而去
(解読)
能満寺、蘇鉄
鉄蕉(てつしょう)南国を喜ぶ。故に駿遠両州、大樹あり。吉田村能満寺、
鉄蕉を以って聞こえる。巡部(じゅんぶ)の次(つい)で、往きてこれを観る。
高さ二丈二尺余、幹大きさ一丈一尺余、東西張り枝、周囲六七間、
楣(まぐさ)を踰(こ)え、屋瓦(おくが)を払い、鳳尾(ほうび)下垂(しただ)れ数十茎(けい)、
壮観と称すべき。住僧雅韻(がいん)有り。迎え一絶(いちぜつ)を唱(とな)う、
乃(すなわ)ち和を作(な)し、また鉄蕉(てつしょう)と題して去る。
(語注)
※ 巡部(じゅんぶ)➔ 巡撫。地方を巡回して、人民の心を安んじなだめること。
※ 楣(まぐさ)➔ 窓や出入口の上に水平に渡した横木。
※ 屋瓦(おくが)➔ 屋根がわら。
※ 鳳尾(ほうび)➔ 植物「芭蕉」をたとえていう。ここでは蘇鉄の葉。
※ 雅韻(がいん)➔ 風流な味わい。上品な風情。
※ 一絶(いちぜつ)➔ 一つの絶句。一首の短歌の意にも用いる。
(原文)
能満寺
能満寺頗大刹、国初時住寺某、茶阿局兄弟、
故局死後其珍器皆此収焉、今不多存云、局神祖宮人也
(解読)
能満寺
能満寺頗(すこぶ)る大刹(たいさつ)、国初めの時、住寺(じゅうじ)某(ぼう)、
茶阿局兄弟(弟)、故に局(つぼね)死後、その珍器を皆なここへ収む。
今、多くは存ぜずという。局(つぼね)神祖(しんそ)の宮人(きゅうじん)なり。
(語注)
※ 住寺(じゅうじ)➔ 住持。寺の住職。
※ 神祖(しんそ)➔ 徳川家康の尊称。神君。
※ 宮人(きゅうじん)➔ 後宮に仕える女性。女官。
(続く)
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