「蕉園渉筆」(漢文)を読む(38)鼓子花/桜

ヒルガオ(鼓子花

2026.8.21

午後、静岡の駿河古文書会に出席した。来週火曜日、今日の課題を基礎講座で担当するために、今日は細かい点まで解明して置かなければならないと思い、色々意見やら質問を一人で出していたような気がする。それでいくつも細かいことまで確認出来て良かった。講座後、今日の担当のHさんから、色々意見をいただいてよかったと御礼を云われた。意見がないと、講座内容が相手に伝わっているのかどうか、不安になってしまう。まあ、少々煩がられても、意見や質問はいっぱい出していこうと改めて思った。

さて、今日も「蕉園渉筆」解読の続きを載せよう。

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(原文)

鼓子花

都下所在鼓子花、花葉共似牽牛、遠州海上磧砂中多生、

花似牽牛而葉類蜀葵、間之即鼓子花也

(解読)

鼓子花(ひるがお)

都下、鼓子花(ひるがお)所在する所、花葉とも牽牛(あさがお)に似る。

遠州海上磧砂(せきさ)中、多く生ず。花は牽牛(あさがお)に似て、

葉は蜀葵(からあおい)に類し、この間、即(すなわ)ち鼓子花(ひるがお)なり。

(語注)
※ 都下(とか)➔ 江戸表
※ 磧砂(せきさ)➔「砂磧」に同じ。砂の河原。砂原。
※ 蜀葵(からあおい)➔ タチアオイの古名。


(原文)

〇遠州梅多而桜不多見也。官舎有一樹所謂楊貴妃者、花過艶、余不好也、

因求単弁称山桜者、不得、巡部日山中或見之、葉多花鮮小、不足賞焉

於園村山上見稍佳者、乃購取移庭上、然譲都下山桜者万々

(解読)

〇遠州梅多くして、桜多く見ざるなり。官舎に一樹あり。

所謂(いわゆる)楊貴妃(ようきひ)は、花艶(あでや)か過ぎ、余、好まざるなり。

(よ)って、山桜と称する単弁ものを求め、得ず。巡部(じゅんぶ)の日

山中ある時これを見る。葉多く花鮮小(せんしょう)(めで)るに足らざるなり。

園村の山上において見、稍(やや)(よ)きもの、(すなわ)ち購(あがな)い取り、

庭上に移す。然し、都下山桜に(ゆず)もの、万々(まんまん)

(語注)
※ 楊貴妃(ようきひ)➔ サトザクラの品種。花は淡紅色で、外部は色濃く、径五センチほどの八重咲き。
※ 巡部の日(じゅんぶのび)➔ 地方を巡回する日。
※ 鮮小(せんしょう)➔ 鮮やかなれど小さい。
※ 譲る(ゆずる)➔ ひけ劣る。
※ 万々(まんまん)➔ いろいろ。

続く)

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