「蕉園渉筆」(漢文)を読む(39)蝒虫/慈菰
この形は「杓子」か「おたまじゃくし」か?
2026.8.22
午後、金谷郷土史研の「竹下村誌稿」講座の第三回目で、自分に番が回って来て、2時間の講座を実施した。課題は「用水、大井川、大代川」。古文書解読の講座と違い、歴史の講座は何をしゃべってよいのやら、ほとんど即興で、主に、「天正の瀬替え」についての持論をしゃべっていた。これで良かったのかどうか。自分に歴史の話は荷が重い。
「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。
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(原文)
蝒虫
遠州患蝒虫、波津相良最多矣、觸書画器物、食物亦貧家人憎之日撲殺不尽、
大比都下種可二三倍、称曰大坂虫、近時大坂賈船漂白于灘中、
此蕃殖竟及闔州云、(追筆)相良民救之船中、大群付行李至宿舎
(解読)
蝒虫(むかで)
遠州蝒虫(えむし)に患(くる)しむ。波津、相良最も多し。書画、器物、食物に触れ、
また貧家人これを憎(にく)み、日に撲殺(ぼくさつ)、尽きぬ。都下に比べ大きな種、
二三倍あるべし、称して「大坂虫」と曰う。近時、大坂賈船(こせん)、
灘中に漂泊、この蕃殖(はんしょく)竟(つい)に及闔州(こうしゅう)に及ぶと云う。
(追筆)相良民、救(すく)いの船中、大群行李(こうり)に付け、宿舎に至る。
(語注)
※ 蝒虫(えむし)➔ ムカデ。(「撲殺」とあるため。相良町史の「蛔虫(かいちゅう)」ではない。)
※ 撲殺(ぼくさつ)➔ 殴り殺すこと。
※ 賈船(こせん)➔ 商売のために用いる船。商船。
※ 蕃殖(はんしょく)➔ 繁殖。動物や植物が生まれてふえること。
※ 闔州(こうしゅう)➔ くに(遠州)じゅう。
※ 行李(こうり)➔ 竹や柳で編んだ箱形の物入れ。旅行の際に荷物を運搬するのに用いた。
※ 撲殺(ぼくさつ)➔ 殴り殺すこと。
※ 賈船(こせん)➔ 商売のために用いる船。商船。
※ 蕃殖(はんしょく)➔ 繁殖。動物や植物が生まれてふえること。
※ 闔州(こうしゅう)➔ くに(遠州)じゅう。
※ 行李(こうり)➔ 竹や柳で編んだ箱形の物入れ。旅行の際に荷物を運搬するのに用いた。
(原文)
慈菰
慈菰遠州所産長而小、形如 子、味不佳、大与都下鬻者矣
(解読)
慈菰(慈姑/くわい)
慈菰(くわい)、遠州所産、長くて小さい。形□子(読めず)の如きで、
味佳(よ)からず。大いに都下で鬻(ひさ)ぐ者に与(あた)う。
(語注)
※ 慈菰(くわい)➔ 正しくは、慈姑。オモダカ科の水生多年草。地下茎は食用になる。
(続く)
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