「蕉園渉筆」(漢文)を読む(18)送蝗/為天狗
2026.7.27
暑い毎日が続いている。この頃は冷房の効いた部屋にこもって、「蕉園渉筆」の解読にいそしんでいる。古文書の解読とは違って、中々文意を掴むのに苦労している。「蕉園渉筆」の原本は見れないので、もっぱら、静岡県史と相良町史に載っている、漢文のままの資料のコピーをいただいて、それをもとに解読しているのだが、この二つの資料が微妙に違っている。どちらを正解とすべきか、解読が出来て、内容が理解できる方を正解とするしかない。だから、あちらを見たり、こちらをみたりで、少しずつ前へ進み、何とは半分くらいまで進んだ。原文と解読文を載せていて、B4の用紙で40枚を越えた。何とか涼しくなる前の、室内作業で終えればと思っている。
「蕉園渉筆」解読の続きを少し載せる。
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(原文)
送蝗
諸県、送蝗、用鐘鼓、近時少年輩競求大鐘、
棚草村少年新造之、大過於他方、里正招而視之、
少年誇曰、諸県無有焉、里正曰、実然也、
如汝愚亦無有焉、奪而不与
(解読)
送蝗(いなご送り)
諸県(あがた)、蝗(いなご)送り、鐘鼓(鐘や太鼓)を用いる。近時、少年輩(やから)、競い
大鐘を求む。棚草村少年、新たにこれを造る。他方(一方)では大過(たいか)なり。
里正(村長)招いてこれを視る。
少年誇り曰(いわ)く、「諸県(あがた)、有ること無し。」里正曰く、「実(まこと)に然り
なり。汝(なんじ)の如き愚(おろか)もまた有ること無し」と、奪いて与えず。
※ 県(あがた)➔ 地方。いなか。
※ 蝗送り(いなごおくり)➔ 虫送り。農作物、特に稲の害虫を追い払う行事。たいまつをともしたり、鉦・太鼓をたたいてはやし、村境まで送って行く。
※ 大過(たいか)➔ 大きなあやまち。大変な失敗。
(原文)
為天狗
相良民、給事其家、嘗欲為天狗、毎上高山、
跳下試之、数歳去而不知其所行也
(解読)
為天狗(天狗に為る)
相良民(みん)、その家に事(つか)え給い、嘗(かつ)て天狗に為るを欲す。高山に上がる
毎(ごと)、跳び下(くだ)りこれを試す。数歳(年)、去ってその行く所を知らざるなり。
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