「蕉園渉筆」(漢文)を読む(21)古鐘

 
「上越秋山紀行 下巻」解読一般向け冊子

2026.7.31

「上越秋山紀行 下巻」解読一般向け冊子が出来て、先日「上巻」を進呈したTさんに進呈した。上巻を読んでみてくれているらしく、「むずかしい」との感想だった。読みなれないから、難しいと思うのだろうが、難しい言葉には語註が付けてあるから、理解可能だと思うのだが。

これで、十冊出来た。10冊を改めて書き留めて置く。

  1 歳代記(幕末編)         松浦幸蔵著
  2 歳代記(明治編)         〃
  3 安政大地震能記        山崎久麻呂著
  4 大井河源記(前編)        桑原藤泰著
  5 大井河源記(後編)        〃
  6 安政大地震記録        松下良伯著
  7 薦被り騒動(五和の百姓一揆)   山田家文書
  8 安倍記            桑原藤泰著
  9 上越秋山紀行 上巻      鈴木牧之著
  10 上越秋山紀行 下巻        〃

これで、ひと山越した。続いて、どんな題材を取り上げようか、今考えている。

候補としては、

「喜三太さんの記録」「硯石日記」、さらには今ブログで解読している「蕉園渉筆」(これは漢文解読)、いずれも大作で時間が掛かる。「東海道山すじ日記」なども面白いか。

しばらく時間が掛かるが、乞うご期待!

「蕉園渉筆」解読の続きを少し載せる。

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(原文)

古鐘「これ天慶の古鐘也。今金峯山に在」

秋葉山下本郷村、有寺曰長福寺、住僧与客囲棋、

一道士長丈余者、来乞什器、住僧曰、貧寺無一物、

唯有一鳴鐘耳、乃奪去掛之和州大峯松樹、

銘尾有州及び寺号鋳匠之名、衆人所徧知也、近時安于堂中云

(解読)

古鐘「これ天慶(てんぎょう)の古鐘なり。今、金峯山に在り」

秋葉山下、本郷村に、長福寺という寺あり。住僧と客、棋(碁・将棋)を囲む。

一道士長(背丈)丈余(じょうよ)の者、来たりて什器(じゅうき)を乞う。

住僧曰(いわ)く、「貧寺にて一物(いちぶつ)も無し。唯一つ鳴らす鐘有るのみ。」

(すなわ)ち奪い去り、これを和州大峯(おおみね)、松樹に掛ける。

銘尾(めいび)に州(くに)及び寺号、鋳匠(いしょう)の名あり。

衆人徧知(へんち)の所なり。近時、堂(鐘撞き堂)に安置すと云う。

(語注)
※ 天慶(てんぎょう)➔ 平安前期の年号。九三八年~九四七年。
※ 丈余(じょうよ)➔ 一丈(約三メートル)を超えていること。一丈あまり。
※ 什器(じゅうき)➔ 日常使用する器具・家具類。
※ 銘尾(めいび)➔ 銘のおわり(末尾)。
※ 鋳匠(いしょう)➔ 鐘を鋳造した職人。
※ 徧知(へんち)➔ あまねく知る。皆な知っている。

続く)

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