「蕉園渉筆」(漢文)を読む(29)咸陽瓦硯

瓦硯(かわらすずり)(ネットから写真借用)

 2026.8.10

明日の駿河古文書会基礎講座、明後日の牧之原塾、木曜日の掛川古文書講座まで、準備を終えた。夜になって、名古屋のかなくん母子が来る。明日、自分の傘寿の祝を夕方からやってくれるという。

「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。

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(原文)

咸陽瓦硯

相良板俊卿家、秘蔵咸陽瓦硯、父祖伝来云、色紫黒堅如石、

長六寸余、広居参分長之二、厚称之、併匣は華人所製、

余未一見咸陽瓦、則不知其贋如何俊卿索拙作不已、

賦七古一章畀之

(解読)

咸陽瓦硯

相良、板俊卿家、秘蔵の咸陽(かんよう)瓦硯(かわらすずり)、父祖(ふそ)伝来と云う。

色は紫黒(しこく)、堅さ石の如し。長さ六寸余り、広居(はば)参分長の二

厚さはこれを称(たた)える。併(しか)し、匣(はこ)華人(かじん)(つく)る所。

余、未だ咸陽瓦(かんようがわら)を一見(いっけん)せず。

(すなわち)、その贋(にせもの)を知らず。

如何(いか)に、俊卿、拙作(せっさく)を索(もと)めたのみならず、

七古(しちこ)一章(いっしょう)を賦(ふ)し、これに畀(あた)えたかをも知らず。

(語注)

※ 咸陽(かんよう)➔ 中国陝西省、渭水北岸にある工業都市。紡績工業が盛ん。秦代の首都。
※ 瓦硯(かわらすずり)➔ 石の硯が主になるまで多く使用された陶製の硯。
※ 紫黒(しこく)➔ 紫がかった黒色。
※ 参分長の二(さんぶんちょうのに)➔ 長さの三分の二。
※ 華人(かじん)➔ 当時の華人(中国人)つまり清国人のことであろう。
※ 拙作(せっさく)➔ へたな作品。
※ 七古(しちこ)➔ 「七言古詩」の略。漢詩体の一つ。一句が七言からなる古体詩。
※ 一章(いっしょう)➔ 一つの文章。一編の詩。

続く)

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