「蕉園渉筆」(漢文)を読む(51)応正院/新井薬師

 

菊川市中内田、応声教院山門

2026.9.6

漸く涼しくなったと思ったら、今夜から雨。線状降水帯などに掛からないように願いたいが、秋雨前線は長引くようだ。

蕉園渉筆」解読の続きを載せる。

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(原文)

応正院

内田応正院、什器有一杖一笠、伝云永空阿沙黎赴佐倉邑、投池中所寄頓也、

或曰源空欲見永空来所託云、源空蓋永空徒弟也

(解読)

応正院

内田応正(声)什器(じゅうき)に、一杖(じょう)一笠(りゅう)有り。伝(でん)に云う、

永空(皇円)阿沙黎(阿闍梨)、佐倉邑(むら)に赴(おもむ)き、(身を)池中に投じ、

寄頓(きとん)する所なり。

(ある)(いわ)く、源空(げんくう)、永空(皇円)を見んと欲し、(かこつ)

来たる所と云う。」源空(げんくう)、蓋(けだ)し永空(皇円)の徒弟(でし)なり。

(語注)
※ 内田応声院(うちだおうせいいん)➔ 現、菊川市中内田の応声教院。
※ 什器(じゅうき)➔ 什物。代々伝わる宝物。秘蔵の宝。
※ 永空阿闍梨(えいくうあじゃり)➔ 応声教院の伝では、「皇円阿闍梨」と言い、
源空(法然)はその弟子である。
※ 寄頓(きとん)➔ 預ける。
※ 源空(げんくう)➔ 法然上人の僧としての正式名。


(原文)

新井薬師

新井有薬師如来堂前小石、尽有孔、其数千枚拾帰者必矢所在、

石帰于堂前、但帰有遅速、盈千為祭祀之度石、石称飛神云

(解読)

新井薬師

新井、薬師如来堂前に小石有り。尽(ことごと)く孔(あな)有り。その数(かず)、千枚。

拾い帰る者、必ず矢所(やどころ)(あ)り。石、堂前に帰る。

但し、帰るに遅速(ちそく)有り。祭祀(さいし)これを為す度、石、千に盈(みつ)る。

石を飛び神と称すと云う。

(語注)
※ 矢所(やどころ)➔ 矢を射当てる所。的(まと)。矢壺(やつぼ)。(願立て、立願のことを指すか)

(続く)

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