「蕉園渉筆」(漢文)を読む(60)八幡古鐘・天狗
菊川市中内田、平尾八幡宮
2026.9.15
「蕉園渉筆」は(上)(中)(下)の上中の解読終わり、今日より下に入った。あと三分の一である。ここへ載せているのは、まだ中の前半。
「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。
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(原文)
八幡古鐘・天狗
平尾八幡社前有古鐘、放置地、一日有響冲於空中、
後聞之、墜於相之最上寺道了権現祠前、数年秋時八幡神会有射礼、
廟令在席即忽募冊墜自空中、最上寺鐘楼募冊也、蓋皆天狗之所為也
(解読)
八幡古鐘・天狗
平尾八幡社前、古鐘(こしょう)有り。放置の地、一日空中に冲(わ)く響き有り。
後これを聞く。相(相模)の最上寺(さいじょうじ)、道了権現祠(ほこら)前に墜(お)つ。
数年秋時、八幡神会射礼(じゃらい)有り。廟令(神主)在席、即(すなわ)ち
忽(たちま)ち、募冊(ぼさつ)空中より墜(お)つ。最上寺鐘楼の募冊(ぼさつ)なり。
蓋(けだ)し、皆天狗の所為(しょい)なり。
(語注)
※ 鐘(しょう)➔ 原文は「鏡」に見えるが、著者の書き癖で、意味からも「鐘」と読む。
※ 平尾八幡社(ひらおはちまんしゃ)➔ 現、菊川市中内田、平尾八幡宮。
※ 相模最上寺(さがみさいじょうじ)➔ 現、南足柄市大雄町、曹洞宗大雄山最乗寺。修験道の行者相模房道了尊者(妙覚道了)が建立に尽力を尽くし大寺を成したという。
※ 射礼(じゃらい)➔ 近世以降の弓道で、烏帽子、直垂(ひたたれ)の装束で威儀を正し行う儀礼としての歩射(ぶしゃ)。
※ 募冊(ぼさつ)➔ 募集によって編成された名簿。
※ 所為(しょい)➔ なすところ。しわざ。
(続く)
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