「蕉園渉筆」(漢文)を読む(68)県令/卜風雨
「東海道五十三次・十一年間の古道を考査する」
金谷コミュニティ委員会広報部編
金谷コミュニティ委員会広報部編
2026.9.23
土曜日の金谷郷土史研の講義の中で、「東海道五十三次・十一年間の古道を考査する」という金谷コミュニティ委員会広報部で公開している資料を使わせていただくべく、竹下のSさんを訪ねる。了解をいただいた後、今度の講義の進め方などを話し、幾つか不明の点を確認した。何とか、恰好が付きそうである。
「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。
***********************************************************************
(原文)
県令
自遠州移封之年、県令至余合八人、独山下為之助、以厳莅下、以直処己、
民畏而懐徳、坐見移官、去後十年、民至今称之、余以問于太公、
客歳為司農卿、兼郡将
(解読)
県令
遠州移封の年より、県令(けんれい)、余に至り、合わせ八人。独り山下為之助、
厳しく下へ莅(のぞ)むを以って、直処己(まさしくおのれ自身)に、民(たみ)畏(おそれ)て
徳を懐(おも)う。坐して官を移すを見る。去後(きょご)十年、民、今に至りこれを
称(たた)える。余、太公に問うを以って、客歳(かくさい)、司農卿(しのうけい)、
兼(けん)、郡将(ぐんしょう)に為(な)す。
(語注)
※ 県令(けんれい)➔ 郡司の唐名。「郡司」は、郡を単位として地域的支配を行う郡代官。
※ 直処(ただか)➔ その人自身。まさしく、その人自身
※ 坐して官を移すを見る ➔ 人事・官職の異動が目の前で行われるのを見届けること。
※ 去後(きょご)➔ それより以後。
※ 客歳(かくさい)➔ 去年。昨年。
※ 司農卿(しのうけい)➔ 宮内卿(くないきよう)の唐名。
※ 郡将(ぐんしょう)➔ 郡の長。郡の領主。
※ 直処(ただか)➔ その人自身。まさしく、その人自身
※ 坐して官を移すを見る ➔ 人事・官職の異動が目の前で行われるのを見届けること。
※ 去後(きょご)➔ それより以後。
※ 客歳(かくさい)➔ 去年。昨年。
※ 司農卿(しのうけい)➔ 宮内卿(くないきよう)の唐名。
※ 郡将(ぐんしょう)➔ 郡の長。郡の領主。
(原文)
卜風雨
海国之民預能風雨晦明、遠頻于於海所言尤有験者、
駿之芙蓉在近、山峰雲気相証故也
(解読)
卜風雨
海国の民、能(よ)き風雨晦明(ふううかいめい)に預かる。遠(遠州)は頻(しき)りに
海所(海辺)にて言われる。尤も験者(けんざ)有り。駿(駿州)は芙蓉(富士山)近くに
在り。山峰(さんぽう)の雲気(うんき)、相証(あいしょう)するゆえなり。
(語注)
※ 風雨晦明(ふううかいめい)➔ 風と雨、暗と明。
※ 海所(かいしょ)➔ 海辺。
※ 験者(けんざ)➔ 修験道の行者。加持・祈祷を行い、病気の治癒、除災などの霊験を現す者。修験者。
※ 雲気(うんき)➔ 地上の事柄を反映して立ちのぼる異様な気。天文、兵法に携わる者には、形、色などが見え、天候、吉凶などを示すものとした。
(続く)
コメント
コメントを投稿