「蕉園渉筆」(漢文)を読む(72)平田寺文書

庭のホソバヒイラギナンテンの実
もう何十年も庭に在りながら
その実をじっくり見るのは初めてである

 2026.9.28

雨続きである。止みそうでなかなかさっぱりした晴れは続かない。専ら室内で古文書解読か、アジア大会の観戦の毎日である。

「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。

***********************************************************************

(原文)

平田寺文書

余嚮観平田寺所蔵、孝謙帝天平感宝詔書、寄諸友書中及此事云、

詔尾橘豊成名、書尤佳、蓋名所自筆也、白藤報曰、

豊成横萩右太臣而中将姫之父。此時未聞有橘姓也、蓋別人矣、

是藤原豊成誤筆橘豊成也、他諸友無報、独白藤詰之、可謂益友矣

(解読)

平田寺文書

余嚮(さき)、平田(へいでん)寺所蔵、孝謙帝、天平感宝詔書(しょうしょ)を観る。

諸友への書中に寄せて、この事云うに及ぶ。詔尾(しょうび)、橘豊成の名、

書もっとも佳(よ)し。蓋(けだ)し、名自筆(じひつ)の所なり。

白藤、報(しら)せて曰く、豊成、横萩右太(大)臣にして中将姫の父。

この時、未だ橘(たちばな)姓に有ったとは聞かざるなり。蓋し別人なり。

これ藤原豊成、橘豊成と誤筆なり。他の諸友、報せなし。

独り白藤これを詰(つ)める。可謂(いわゆる)益友(えきゆう)なり。

(語注)
※ 嚮(さき)➔ 以前。
※ 詔書(しょうしょ)➔ 律令制で、天皇の詔(みことのり)を記した文書。
※ 詔尾(しょうび)➔ みことのりの終り。
※ 横萩(よこはぎ)右大臣 ➔ 豊成は、別名「横佩(萩)大臣(よこはぎのおとど)」と呼ばれた。
※ 益友(えきゆう)➔ 交わってためになる友人。

(続く)

コメント

このブログの人気の投稿

おたふく風邪と母子手帳/詐欺電話にご注意!

「かさぶた日録」改め「かさぶた残日録」開始

今年度最初の掛川古文書講座