「蕉園渉筆」(漢文)を読む(84)求婦
出来上がった「富士の人穴物語」解読版
2026.10.12
「富士の人穴物語」解読版が出来上がった。全部で29頁、講座受講者の皆さんには配布します。鎌倉時代の死後の世界観が如実に語られていて、大変興味深い。「賽の河原」「三途の川」「百三十六地獄」「閻魔大王」「六道」「極楽」など、言葉だけでも、おどろおどろしい。
ちなみに、今まで12冊の古文書解読版を作製した。以下に示すが、読んでみたい方はご一報を下さい。
1 歳代記(幕末編) 松浦幸蔵著
2 歳代記(明治編) 〃
3 安政大地震能記 山崎久麻呂著
4 大井河源記(前編) 桑原藤泰著
5 大井河源記(後編) 〃
6 安政大地震記録 松下良伯著
7 薦被り騒動(五和の百姓一揆) 山田家文書
8 安倍記 桑原藤泰著
9 上越秋山紀行 上巻 鈴木牧之著
10 上越秋山紀行 下巻 〃
11 蕉園涉筆 (上) 小島蕉園著
12 富士の人穴物語 (浅間大菩薩著)
「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。
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(原文)
求婦
相良之民、独居求婦久而不得、一日行旅之婦見棄夫者、漂泊来相良、
入其家卒然謀所以託身、以為天所与也、乃告以為己妻、可謂赤縄
自有所繋也
(解読)
求婦
相良の民、独居(どっきょ)にて婦(ふ)を求むも久しく得ず。
一日、行旅(こうりょ)の婦、夫に見棄てられた者、漂泊して相良に来たり。
その家に入り、卒然(そつぜん)、身を託すを以って謀(はか)る所、
以為(おもえらく)、天の与える所なり。乃(すなわ)ち、以って己(おの)が妻と
為すと告げる。赤縄(せきじょう)、自ら繋(つな)ぐ所、有りと謂うべきなり。
(語注)
※ 独居(どっきょ)➔ ひとりきりで暮らすこと。ひとりずまい。
※ 行旅(こうりょ)➔ 旅をすること。また、その人。
※ 卒然(そつぜん)➔ 事が急に起こるさま。だしぬけ。突然。
※ 以為(おもえらく)➔ 思っていることには。考えるには。
※ 赤縄(せきじょう)➔ 夫婦の縁を結ぶという赤い縄。転じて、夫婦の縁。
(続く)

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