「蕉園渉筆」(漢文)を読む(87)造池
2026.10.20
午前中、県立中央図書館に行き「江戸狂歌本選集第十五巻」を借りて来た。歴史のS先生から頼まれながら、先送りにしてきた課題だが、10月末が期限と聞き、漸く行動に起こす。はじめ課題も一目見たとき、これは単なる古文書の解読とはいかない。余程、狂歌について勉強しなければ、読めそうにないと思った。ただ受けた以上は曲がりなりにも課題をこなさねばならない。写真のようなものが、四枚、これを解読するのが、課題である。夜、ほぼ1枚解読してみたが、幾つか疑問が残った。後、10日、何とか頑張ってみよう。
帰りにO氏宅に寄って、一般向けに解読した冊子を11冊進呈してきた。
「蕉園渉筆」解読の続きを載せる。
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(原文)
造池
癸未冬賜部内之責、其歳所賠併分還、独目木村、里正次郎左衛門会邑民告之曰、
焼券、其恩已大矣、併賜所賠恵豈可忘哉、今湖池所用一、所圮折二、毎歳有旱患、
若以恵再興之、永不遺忘而無旱患、我別仮金、補其不贍、衆皆諾焉、乃改作、
民免患、余以状聞于太公、公感甚、志有賞賜、又為邑民修理余一池、以能従里正之意也
(解読)
造池
癸未(みずのとひつじ)冬、部内(領内)の責(せき)を賜(たま)う。その歳、併せて
分還(ぶんかん)を賠(つぐな)う所、独(ひと)り目木村、里正(名主)、次郎左衛門、
邑民(ゆうみん)に会い、これを告げて曰く、焼券、その恩、已(すで)に大なり。
併せ賜う所、賠恵(ばいけい)、豈(あに)忘るべきや。今、湖池に用うる所一つ、
圮折(ひせつ)する所二つ、毎歳、旱患(かんかん)有り。若し、恵み(賠恵)を以って
これを再興なれば、永く遺忘(いぼう)せずして、旱患(かんかん)なし。
我が仮金(かきん)を別け、その贍(た)らざるを補う。衆(村人)、皆な諾(うべな)う。
乃(すなわ)ち改作し、民(たみ)患(かん)を免る。余、状を以って太公(たいこう)に
聞く(知らす)。公、甚だ感じ、志(こころざし)に賞賜(しょうし)有り。
また邑民の為、余(よ)、一池を修理す。里正の意により、よくするを以ってなり。
※ 分還(ぶんかん)➔ 分け還すこと。
※ 賠恵(ばいけい)➔ つぐなわれた恩恵。
※ 豈忘るべきや(あにわするゝべきや)➔ どうして忘れることが出来ようか。決して忘れない。
※ 諾う(うべなう)➔ 同意する。願い、要求などを聞き入れる。
※ 患(かん)➔ 苦しみ。うれい。
※ 感ず(かんず)➔ 心を動かされる。感動する。
※ 賞賜(しょうし)➔ 功労・善行などの賞として物を賜わること。

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